アクセス解析入門

WEBサイトは、テレビや映画と似た面も多いですが、決定的に異なる点があります。 それは「興味のあるところだけを、好きな順で見られる」という特性です。

映画を部分だけ見ることはあまりありません。 普通は最初から最後まで通して観ます。 そうしてはじめて、楽しめるような仕掛になっています。

しかし、あるWEBサイトを訪れた人が、そのサイトの全てのページを見ることは稀です。 興味を持ったページだけを、好きな時間ずつ、自由な順序で回遊します。

映画・テレビ・小説などの「固定した」コンテンツとは違い、サイトが一方的に発信して いるのではなく、受け手側のクリックを通じて瞬時にストーリーが再構成されているような ものです。 その「個別にカスタマイズされたもの」の方を、各訪問者は体験することになります。 ウエブ全体を一様に体験するのではありません。

新しい形の双方向コミュニケーションが成立しています。 従来の双方向型と異なり、受け手から感想や意見が戻るわけではありません。 しかし、受け手の意向に応じて再構成されたものが、受け手には ちゃんと届いています。

その間のやりとりがブラウザとサーバ間で自動的に行われてしまうため、送り手側には 双方向コミュニケーションのように感じられないだけです。 受け手の反応は 従来とは違う形でもたらされています。 「クリック」が返事なのです。

「来訪者によって切り取られ、再構成され、そしてその来訪者自身が体験したもの」 の姿がどんなものかを、発信側では知りたくなります。

そのために改めて調査する必要はありません。 必要なデータは、知らないうちにWEBサーバ上に蓄積されています。 インタラクティブなコンテンツを実現するために、端末のブラウザとサーバは、ユーザには 見えない形で複雑な通信を行っています。 サーバ側には全ての通信記録がログとして残ります。

この交信ログを「アクセス・ログ」と呼びます。このアクセス・ログをデータと考えて、 そのサイトの中で、どのページがよく閲覧される傾向にあるかなどを分析するのが 「アクセス解析」です。

単純に人気ページのランクを調べるだけではなくて、
滞在時間や巡回順序など、様々な視点から解析を行います。 次へ >