ログに残る来訪者の気持ち

現在、ほとんどの来訪者は、検索エンジンなどを経由してサイトに到来します。
「このサイトには自分の求める情報がなさそう」と感じた瞬間、来訪者はブラウザの 「戻る」ボタンを押して直帰してしまいます。 この間、わずか10秒以内です。
そして、検索エンジンの画面に戻り、別のサイトを、次々と試そうとします。

「ここに求める情報がありそう」だと感じた場合は、そのサイト内の他のページを巡回し はじめます。 そして、満足して退出するまでの間には、5分間とか、10分間といった、 長い「滞在時間」がログ上に記録されることになります。

気に入らないページに長時間滞在することは、あまりありません。
各々の来訪者は、それぞれ異なる満足度を胸に退出しますが、その満足度は、
「滞在秒数」という形に姿を変えて、各人ごと、各ページごとに記録されます。

もちろん「滞在時間=満足度」とは言い切れません。
しかし、何万人、何十万人といった単位で、来訪者「全員」のデータを間違いなく得られるので、 「滞在時間≒満足度」の誤差を割り引いても、十分魅力的なデータです。

来訪者の「満足度」は、ログに残るのです。

サイトを特に気に入って、また後日再訪したいと感じたとき、「お気に入り」に登録 してから退出するケースがあります。
この「お気に入り」に登録したという情報も、特殊な形でサーバーログ上に残ります。

「もう一度このサイトに訪問したいですか?」という質問に「はい」と答えた のと同じです。 しかも、どのページを「お気に入り」に入れたのか、そのページを 何秒見てから「お気に入り」にしたのか、それまでにどのページを巡回したのかも分ります。

質問紙によるアンケート調査というより、心理学実験室で実験を行っている感覚に近い 精密なデータが得られます。 実験室との違いは、被験者の人数が何十万人、何百万人という 膨大な人数であること。 そして特に管理をしなくても、人手もコストもかからずに、 実験データが自動的にどんどん蓄積されていくことです。

これらのサーバ・ログは、特に設定をしなくても、普通にサイトを公開するだけで、
知らないうちに自動的に記録できている場合がほとんどです。
これを上手く利用すれば、来訪者の「気持ち」を引き出せるのです。   次へ >