#04■量子数理の力
各訪問者ごとに、観たページの組合せや、巡回の順序、各ページの滞在秒数、「お気に入り」
ボタンの使用状況、検索エンジンでの検索語など、たくさんの情報がログに残ります。
1回の訪問ごとに、数百種類の様々なデータが取得できます。
それらの、多種多様なデータ群を、同時に組合せて解析できる点が特徴です。
例えば会員制サイトなら、会員の属性データも同時に活用できます。
通常、会員属性データは、次のような形式の行列です。
この行列も「来訪者が行方向に並んでいる」という共通性を持つので、
これまで連結してきた行列に、さらに追加する形で連結できます。
具体的には、次のような大きな行列に統合できます。
この行列を使えば、個々の来訪者が単なる「点」ではなくなります。
「右下の方向には若い人が多い」とか、「女性は左側に多い」というように、
どこに、どんな属性の人が集まっているかが具体的にわかります。
このほかにも、アクセスログには豊富なデータが眠っています。それらも どんどん連結できます。
しかし、このように種類の異なる多彩なデータを、次々に組合せようとすると、 従来の統計学では無理が生じます。
そこで「WEB体験の可視化」では、量子数理(量子力学の数理体系)という、 新しい手法を利用することで、異なる形式のデータ相互の直接連結を実現しています。
映画やテレビなどの固定的なコンテンツなら、視聴率を知れば十分かもしれません。 「ページビュー」は、この「視聴率」という概念の延長線上にあります。
しかし、WEBサイトは、来訪者のクリックにより再構成されるという、インタラクティブ性が 本質です。 来訪者ごとに、それぞれ異なる体験を実現するメディアです。
発信側の用意したサイトを、来訪者がどのように経験したのか、 その構造を知ることこそ重要です。
ページビューの解析では見ることのできない、インタラクティブなWEB体験の構造を 「見える化」する新しいアプローチ、それが「WEB体験の可視化」です。